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第110回 翻訳の手法の問題

次の訳文には不適切な日本語表現があります。どこをどう直したらよいか、次の4つの中からひとつ選んでください。

先週、○○文化会館で△△財団アワードの2008年度の授与式が開催され、介護、保育、看護の3部門で今年最も活躍した女性が表彰された。

a. 「最も」を「もっとも」に直す
b. 「アワード」を「アウォード」に直す
c. 「3部門で」を「3つの部門で」に直す
d. 「表彰された」を「受賞した」に直す


解答・解説

正解(直す必要があるのは)は b. です。a.とc.とd.は、どちらの表現でも問題ありません(なお、出版社などが規約を決めている場合は、通常それに従うことになります)。

「アワード」の語源は英語のaward(賞、賞品、<賞などを>人に授与する)。発音は [эwo':(r)d]ですから、ローマ字で表すとしたら「アウォード」の方がよいのですが、ここ10年ほど、「アワード」というおかしな訳がどんどん使われるようになって、マスメディアの世界を占領しています。

awardという単語は高校や大学のあたりで出てくるはずですから、知っている人も少なくないはずで、おかしな現象です。最近ではもはや「アワード」が日本語の定番になってしまったようで、校正原稿で私たちが「アウォード」と直した箇所をあえて無視して「アワード」に戻した日本の大手出版社の編集者さえいたほどです(その人は決して英語音痴ではなかったのです。つまり、読者にすぐ分かってもらうために妥協したのですね)。

コンピューター翻訳の世界でもwarningが「ワーニング」で通用しています(その昔、「ワークブック」が「ウォークブック」と訳されなかったのはどうしてでしょうか)。とにかく「賞」という意味で「アワード」という発音の単語はどこにもないわけですから、そんな恥ずかしい日本語をいつまでものさばらせておくことはありません。私たち翻訳者の発案でもよいですから、ひとつひとつ正しい表現を定着させていきたいものです。

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