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第124問 日本語表現の問題

次の文で改善すべき点はどれでしょうか。下の4つの中から選んでください。

私たちはきのうの夜、私たちのお気に入りの英語の本の話をしました。

a. 「私たちは」と「私たちの」は不要。
b. 「きのうの夜」を「昨晩」もしくは「ゆうべ」に置き換える。
c. 「の」が続きすぎるので、一部を他の表現に置き換える。
d. 「お気に入り」を「気に入り」にする必要がある。


解答・解説

正解は c. ですが、a. と b. も一応正解です。具体的に言うと、c. にあるように「『の』が続きすぎるので、一部を他の表現に置き換える必要がある」ため、a. や b. などの工夫が必要なのです。

多くの読者、特に文章の専門家の多くは「〜の〜の〜の」と「の」が連続すると、その表現に違和感をもちます。それが雑音となり、文章の内容に集中できなくなるのです。文章を書く大きな目的はその内容を読者に伝えることですから、それを邪魔する要素はできるだけ排除しなければなりません。読者が違和感をもつ表現は「『の』の連続」のほかにもたくさんあり、これからもこの講座で折に触れて紹介していきます。

まず a. の「『私たちは』と『私たちの』は不要」ですが、そもそも日本語では 前後関係ではっきりわかる場合、主語や代名詞の所有格などを省く習慣がありますから、「の」の重複に関係なく、自然な日本語訳にする上で削ったほうがよいでしょう。それが、「の」の重複を回避する工夫ともなるわけです。

代名詞が出てきたら、「この代名詞は訳出する必要があるのだろうか」と自問してみましょう。訳出する必要がない場合や、固有名詞などを代用した方がよい場合が多いのが普通です。

次に b. の「『きのうの夜』を『昨晩』もしくは『ゆうべ』に置き換える。」ですが、「きのうの夜」には「の」が2つあって、最初の「の」は「きのう」の「の」なので本来は関係ないようにも思えますが、やはり「の」が多すぎるという印象を強めていることから、「昨晩」もしくは「ゆうべ」に置き換えた方がよいでしょう。「昨晩」だとややフォーマルな印象になりますし、「ゆうべ」ならばそういった印象は薄くなります。

d. の「お気に入りの」と「気に入りの」は国語辞典を引いてみればわかるように基本的には同じ意味です。したがって、これを変更してもわかりやすくはなりません。むしろ、こういったケースでは「お気に入り」の方が普通でしょう。

さて、「の」を回避するという観点からは、以上に加えて、「英語の本の話」を「英語の本について話す」のように名詞の「話」を動詞の「話す」に置き換えたり、「英語の本について話をする」などとすると、さらに「の」を減らすことができます。

このように「改良」すると、「ゆうべ(昨晩)、気に入っている英語の本について話をしました」といった文ができ、「の」はひとつになります。

もちろん、「の」の数を減らしさえすればよいというわけではありません。文脈によって、最適な表現を選択することになります。この文を単独で書くなら「私たちはゆうべ、お気に入りの英語の本について話をしました」などといったところでいかがでしょうか。

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